塩は何からできているか、ご存知ですか?
「海水」と答える方が多いと思います。
もちろん海水なのですが、塩の原材料名の欄には、4種類の書き方がされています。
◆海水…海の水からできた塩
◆湖塩…死海などのような、塩分濃度の濃い湖からできた塩
◆岩塩…塩湖が長い時間かけて地下に沈み、岩のように結晶になった塩
◆天日塩…外国で作られた天日の塩を輸入して加工した塩
塩を選ぶ際に、原材料をチェックしていただくと、どのような塩なのか理解できます。
実は、全世界で多く使われているのは、岩塩と湖塩です。
日本人は昔から海水でしたが、その海水からできた塩を使用しているのは、
全世界の1/3ぐらいしかありません。
日本は、岩塩が採掘できる場所もなく、海に囲まれてながらも塩にするのは一苦労ということで、他の国に比べて独自の製法で作られている塩が多いのも特徴です。
塩の原材料には4種類あるとお伝えしました。
『海水』『岩塩』『湖塩』『天日塩』です。
その中で一番わかりづらい『原材料:天日塩』と書いてあるものについて、
詳しくお伝えしたいと思います。
原材料に天日塩と書かれているものは、
海外から天日の塩を輸入し、加工して販売しているものになります。
オーストラリアやメキシコなどの広大な土地で作られた天日の塩を輸入し、
再度、水か日本の海で洗った後に、釜で炊いて結晶にしています。
商品名ですと「食卓塩」「伯方の塩」「シママース」です。
一度洗うのは、数年間天日にさらしている関係で、
汚れなども多いため、洗ってからまた結晶にするからです。
また日本の海で洗うことで、ミネラル分を追加する意味もあります。
他、15年ほど前まで、日本は塩の販売が限られ、「食塩」しか手に入らない時代に、
法律をすり抜けて販売可能だったのが、
この天日塩を輸入して、日本の海水で溶かし、再度結晶にするやり方でした。
実はこの天日塩は、食用として作られているわけではありません。
『工業用』といって、成分であるナトリウムや塩素等を
洗剤等の成分にするために日本が輸入をしているものの一部を、食用として使っています。
なのでできるだけナトリウムや塩素の純度を高くするように作られています。
以前伯方の塩の工場見学へ行きましたが、
この天日塩の展示のところに『食用ではありませんので、口に入れないように』と
書かれていたのが印象的でした。
食塩しか手に入らなかった時代に、
このような方法で作られた塩を使っていた方は、
とても良い選択だったと思います。
今はダメな塩…ということではありませんが、
昔ながらの作り方等で塩を自由に作ることができるようになった今、
もう少しこだわりをもって選ぶのもオススメです。
私の場合、シママースを時々使います。
お値段も手ごろなので、パスタを茹でるときなど、
大量に使うときに選択します。
しょっぱさも強めなので、
徐々に発酵して甘くなっていく塩麹に使うこともあります。
(一社)国際食学協会の通信教育『食学調味料講座』の監修をしています。学ばれた方は『食学調味料アドバイザー』の資格取得も可能。私が直接指導する、資格取得講座も行っています。
私が主催する調味料の魅力に迫るイベントは、
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調味料エバンジェリスト(伝道師)
下倉 樹(いつき)
・一般社団法人国際食学協会 理事
(食学調味料講座 監修)
調味料を自分で選ぶチカラを育む講座、子ども・親子向けワークショップ、メーカー見学ツアーなど、調味料の魅力に迫る企画を行う。
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