
ホンモノの調味料に切り替えると、金額が高くなり、負担が増えてしまうように感じますが、使い方次第では負担を減らすことが可能です。
調味料から食費を見直すきっかけにもなるかもしれません。
一世帯当たりの調味料の年間購入金額は、福岡市の平均で35,322円(総務省統計局 『家計調査』 品目別データ(平成17~19年平均)調べ)。
その内、醤油の年間平均が2,531円に対し、ドレッシングやマヨネーズが3,075円、たれやつゆの平均が3,552円と、単体の調味料を上回っています。
これは、ドレッシングやたれなどの調味料が、もともと単体の調味料よりも販売単価が高いことも考えられますが、それ以外に購入頻度(使用頻度)が多いとも考えられます。
ここで一つ疑問なのは、購入した調味料は、すべて使い切れているかということ。
最近では調味料といっても、ドレッシングや炒め物用など、様々な種類があります。
その中には、使いきれずに賞味期限を過ぎてしまうものもあるのではないでしょうか。
私自身も、賞味期限の切れた調味料を冷蔵庫の奥から見つける経験を何度となくしてきました。
そんな調味料を有効的に使用するためにも、ホンモノの調味料を使うことをおススメします。その理由を大きく2つにまとめました。
(1) 家計への負担は実は少ない?!
ホンモノの調味料は、素材のうまみを引き出だすチカラが強いので、少ない量で味がきまります。
例えば我が家の場合、かぼちゃの煮物の味付けは醤油と塩のみ。
カボチャの上に塩を振って少量の水で煮た後、ひと回し程度の醤油を入れ、軽く混ぜて完成です。他に、出汁やみりん、砂糖などは入れなくても、カボチャ本来の甘みを引き出してくれます。
ホンモノは金額が高くても、1回の使用量が減ること、複数の調味料を使わなくてもすむことを考えると、経済的です。
また、無農薬の野菜や無添加などの素材にこだわると、日々の食費を圧迫する可能性もあり、続けていくことが難しい場合もあるかもしれません。
ただ、調味料に関して言えば、一度買うと長期に使用できるものがほとんどなので、食費に大きく影響するものではないと考えます。
(2) 手作り調味料で、購入する種類を少なく
私の場合、ポン酢・ドレッシング・めんつゆ・炒め物のタレなど、手作りしているものが数多くあります。
これらは基本の調味料(砂糖、塩、酢、醤油、味噌、みりん)があれば、手軽に美味しく、そして必要な量だけ作ることが可能です。
これによって醤油などの単体調味料の質や購入金額は上がりましたが、調合調味料(ドレシングやタレなど)の購入頻度は大幅に減りました。
そして、基本の調味料の使用頻度が増え、手作り調味料も必要な量のみ作ることで、賞味期限を過ぎることなく、最後まで使い切ることができています。
自分で作ると愛着も湧き、使用頻度が増えることにもつながっています。
手作りをする際は、使用する調味料によっても味が変わってくるので、できる限りホンモノを選ぶのがポイントです。
おいしさと手軽さがわかれば、手作りする手間も気にならなくなりますし、保存性も上がります。
ポン酢などは保存性が高く、長年使用できるものもあるので、時間に余裕があるときに多めに作られておくのも手です。
加えて、同じ材料を使用しても、作る環境でも味の違いが出てきます。
キッチンに立ちたくなるような環境づくりも重要な要素です。
同じ容器に入った手作り調味料が並んでいるキッチンって、ステキな空間ですよね。
現在ではインターネットで簡単にレシピを調べることも可能です。
ぜひご自身の『家庭の味』を作ってみてください。
1つの調味料の使用頻度を増やし、購入する種類を減らすことで、無駄なく使い切っていきましょう。
毎日使用する調味料、できることから見直してみませんか?
(一社)国際食学協会の通信教育『食学調味料講座』の監修をしています。学ばれた方は『食学調味料アドバイザー』の資格取得も可能。私が直接指導する、資格取得講座も行っています。
私が主催する調味料の魅力に迫るイベントは、
公式LINEにて発信しています!
調味料エバンジェリスト(伝道師)
下倉 樹(いつき)
・一般社団法人国際食学協会 理事
(食学調味料講座 監修)
調味料を自分で選ぶチカラを育む講座、子ども・親子向けワークショップ、メーカー見学ツアーなど、調味料の魅力に迫る企画を行う。
講座数2,000件以上、延べ2万人以上参加。
調味料メーカー見学、全国250件以上。
メディア出演多数。
3姉妹の母。山梨県出身。神戸市在住。
良質な調味料を選ぶメリットについて書いています。